• 2026年8月27日

Dermatology Cross-talk~AD/AAにおける免疫制御の最前線~

岡山で開催されたDermatology Cross-talk~AD/AAにおける免疫制御の最前線~に参加しました。山口大学の下村先生より、円形脱毛症の発症メカニズムとリットフーロの治療効果についてご講演いただきました。

これまで私は、円形脱毛症の発症メカニズムについて、どこか腑に落ちない部分を感じていました。円形脱毛症の病態を説明するシェーマを見ると、細胞傷害性T細胞(CTL)が中心的に描かれ、NK細胞については比較的補助的な位置づけとして示されているものが多いように思います。

もちろんCTLが円形脱毛症の病態形成に重要な役割を果たしていることに異論はありません。一方で、毛包における免疫特権の破綻や、NKG2Dを介した細胞傷害性の免疫反応などを考えると、NK細胞の関与はもう少し大きいのではないか、むしろ病態を理解するうえで非常に重要な存在なのではないかと以前から感じていました。

今回、下村先生の講演を拝聴し、NK細胞を含めた自然免疫系と細胞傷害性T細胞との相互作用という視点から円形脱毛症を捉えることで、これまで自分の中にあった疑問がかなり整理されたように感じました。「CTLだけを主役として考える」のではなく、NK細胞を含めた細胞傷害性免疫全体の働きとして捉えることで、円形脱毛症の病態がより理解しやすくなったことが、今回の講演で特に印象に残った点です。

そして病態メカニズムについては今後さらに明らかになっていく部分があるとしても、リットフーロをはじめとするJAK経路を標的とした治療薬の登場が、これまで治療選択肢の限られていた重症円形脱毛症の患者さんにとって大きな前進であることは間違いありません。

円形脱毛症が「治療の難しい疾患」から、病態に基づいて治療薬を選択できる疾患へと変わりつつあることを改めて実感しました。今後さらに病態解明が進み、新たなJAK阻害薬を含め、より有効で安全な治療選択肢が増えていくことを期待したいと思います。
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