アレルギー検査の必要性
皮膚の症状は同じように見えても、原因が「アレルギー性」か「非アレルギー性」かで、治療方針が変わることがあります。
たとえば蕁麻疹は、食べ物や薬、花粉などのアレルギーが関係する場合もあれば、疲労・感染・温度変化・圧迫などが引き金となる非アレルギー性の場合もあります。
原因のタイプを見極めることで、必要以上に食事制限をしたり、逆に原因に気づかず繰り返しアレルゲンに接したりすることを防ぎ、より適切な治療につなげられます。
また、アレルギーのつらい症状は「出てから抑える」だけでなく、症状が出る前から薬を開始して反応を起こしにくくすることが有効な場面があります。
たとえば花粉症では、花粉が飛び始める前から抗アレルギー薬を使うことで、体の過敏な反応が立ち上がりにくくなり、ピーク時の症状を軽くできることがあります。
こうした“先回りの治療”を行うためにも、事前にアレルギーの有無や反応しやすいアレルゲンを把握しておくことが大切です。
当院では、症状の経過や生活背景を丁寧に伺ったうえで、必要に応じてアレルギー検査をご提案します。
「原因が分からないまま繰り返している」「毎年同じ時期につらい」「化粧品や金属でかぶれやすい」など、お困りの際は早めにご相談ください。
当院で行うアレルギー検査の種類
パッチテスト
パッチテストは、皮膚に触れることで起こるアレルギー(接触皮膚炎)の原因を調べる検査です。
原因が疑われる物質を含ませたテープを背中などの皮膚に貼り、一定時間後に皮膚の反応を観察して「何に反応しているのか」を確認します。
金属(ニッケルなど)、化粧品・外用薬の成分、ゴム・樹脂、日用品の成分などが原因として疑われる場合に役立ちます。
検査は通常、貼付して48時間後にテープを外し、その後も複数回の判定を行うことが推奨されています(例:48時間後、72〜96時間後、1週間後など)。
反応が遅れて出てくるタイプもあるため、1回だけでなく複数回の判定が重要です。
検査期間中は汗や入浴などに制限が出ることがあるため、スケジュールも含めて事前に丁寧にご案内します。
血液検査
血液検査は、血液中の特異的IgE抗体を調べ、どのアレルゲンに反応しやすい体質かを把握する検査です。
くしゃみ・鼻水・目のかゆみ(花粉症)、蕁麻疹、喘息、食物アレルギーが疑われるときなどに有用で、問診と合わせて原因の候補を整理し、対策や治療選択に役立てます。
View39
View39は、一度の採血で複数(39項目)のアレルゲンに対する特異的IgEをまとめて確認できる検査です。
「原因がはっきりしないが、季節性の症状がある」「複数のアレルゲンが関係していそう」「まずは全体像をつかみたい」といった場合に、効率よくスクリーニングできます。
結果をもとに、生活上の対策(花粉・ダニ対策など)や、症状が出る時期を見据えた治療計画につなげます。
この検査は、採血後に血液を専門機関に送って検査するため、結果の判明まで1週間ほどかかります。
1週間後の再診の際に、結果を医師からご説明いたします。
ドロップスクリーン
ドロップスクリーンは、指先から少量(1滴程度)の採血で、約30分で複数(41種類)のアレルゲンを同時に調べられる迅速検査です。
当院ではドロップスクリーンの検査機器を設置しています。
注射での採血が苦手な方や、お子さんでも受けやすいのが特徴で、当日の診察の中で結果を確認しながら、対策や治療方針を相談しやすくなります(※症状や目的によっては、通常の血液検査を追加する場合もあります)。
アレルギー検査では、こんなことも分かります
アレルギー検査は「何に反応しやすいか」を知るための手がかりになり、思いがけない原因が見つかることもあります。
たとえば、検査や問診から口腔アレルギー症候群(OAS)が疑われるケースがあります。
OASは、りんご・もも・メロンなどの生の果物や野菜を食べたときに、口の中やのどがイガイガしたり、唇や舌がかゆくなったり、軽く腫れたりするタイプのアレルギーです。
背景に花粉症があり、花粉と果物・野菜のアレルゲンの構造が似ているために起こる「交差反応」が関係します。
具体例として、シラカバ・ハンノキ系の花粉症がある方では、りんご、もも、洋梨、豆乳などで症状が出ることがあります。
また、ブタクサ花粉症がある方では、メロン、すいか、きゅうり、バナナなどに反応することも知られています。
さらに、ラテックス(天然ゴム)アレルギーがある方では、バナナやアボカド、キウイなどで症状が出やすい「交差反応」が問題になることもあります。
こうした関係を事前に知っておくと、「心配な食品の選び方」や「症状が出たときの対応」が取りやすくなります。