多汗症

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多汗症は、体温調節に必要な発汗量を超えて、日常生活に支障が出るほど汗が多く出てしまう状態です。
原因や経過により大きく「原発性多汗症」と「続発性多汗症」に分けられます。
原発性は明らかな病気がないのに、手のひら・足の裏・わき・顔など限られた部位で汗が多くなるタイプで、緊張やストレスで悪化しやすい特徴があります。
続発性は甲状腺疾患、感染症、薬剤の影響など背景に原因があるタイプで、全身性に汗が増えることもあります。

多汗症の症状

多汗症では、季節や気温に関係なく汗が多く、手のひらが湿って紙がふやける、スマートフォンが操作しづらい、握手や書字が気になるといった困りごとが起こります。
わきの汗では衣類の汗じみやにおいが心配になり、服装が制限されたり、人前で腕を上げることが不安になったりします。
足の裏の汗が多いと靴の中が蒸れて不快になり、靴ずれや水虫などの皮膚トラブルにつながることもあります。
こうした悩みは生活の質に大きく影響するため、我慢せずに、お早めに相談していただきたい症状です。

多汗症の治療

多汗症の治療は、汗の部位や重症度、生活への影響に合わせて選びます。
まず基本となるのが外用薬で、わきの多汗症にはエクリン汗腺の働きを抑える外用薬(例:エクロックゲル、ラピフォートワイプ、アポハイドローションなど)が用いられます。
手のひらなど部位によっては適応や使い方が異なるため、肌状態も含めて調整します。

外用で十分な効果が得られない場合や症状が強い場合には、ボツリヌス菌製剤の注射を行い、発汗を促す神経の働きを一時的に抑える治療が選択肢になります。
手足の多汗症では、イオントフォレーシス療法という、弱い電流を、水を介して流し発汗を抑える治療が有効な場合があります。
さらに重症で生活への影響が大きい場合には、手術(交感神経遮断術など)を検討することもあります。
どの治療にもメリット・注意点があるため、症状とご希望を伺いながら最適な方法をご提案します。

やけど

やけど(熱傷)は、熱いものに触れる、熱湯がかかる、蒸気に当たるといった高熱によるものだけでなく、カイロ・電気毛布・湯たんぽなどで起こる低温やけど、薬品による化学熱傷、強い日焼け(紫外線)による皮膚障害なども含まれます。
日常生活の中で起こりやすく、見た目が軽そうでも皮膚の深い部分まで傷んでいる場合があるため、適切な初期対応と、その後のケアが重要です。

やけどの症状

やけどは皮膚の障害の深さ(深度)で重症度が変わります。
表皮のみの浅い段階(Ⅰ度)では赤みやヒリヒリした痛みが主体で、数日で改善することが多い一方、真皮まで至り、水ぶくれができているような場合(Ⅱ度)は治療が必要で、治るまでに時間がかかります。
さらに皮膚の全層が損傷した深いやけど(Ⅲ度)では、迅速な治療が必要です。
皮膚が白っぽくなったり黒っぽくなったりして感覚が鈍くなることがあり、感染や治癒の遅れ、瘢痕(あと)やひきつれ、色素沈着などの後遺症が残るリスクが高まります。
範囲が広い場合、顔や手、関節部、陰部など重要な部位の場合、痛みが強い場合、受傷後に腫れが増してくる場合は、早めに医療機関で評価が必要です。

やけどの治療

やけどを負った直後の応急処置として最も大切なのは、できるだけ早く「冷やす」ことです。
流水で10〜20分程度を目安に冷却し、熱が皮膚の奥へ進むのを抑えます。
衣類の上から熱湯がかかった場合は、無理に剥がさず流水で冷やしながら慎重に対応します。
氷を直接当てるなど過度な冷却は凍傷のリスクがあるため避けます。
水ぶくれは感染予防の観点からも自己判断で潰さず、清潔に保って受診してください。

クリニックでは、深度と範囲を評価し、感染予防・痛みのコントロール・治癒促進・瘢痕予防を目的に治療を行います。
浅いやけどでは、適切な外用薬と被覆材で保護し、乾燥や摩擦を防ぎながら治癒を促します。
水ぶくれを伴う場合は、状態に応じて処置を行い、湿潤環境を整えながら治療します。
深いやけどや範囲が広い場合、機能や整容面に影響が大きい部位の場合は、より専門的な治療が必要になるため、適切な医療機関と連携して対応します。

水ぶくれ

水ぶくれは、皮膚の表面(表皮)とその下の層の間に液体がたまり、袋状に盛り上がった状態です。
摩擦や熱、炎症によって皮膚が傷つくと、体は傷を保護し治そうとして滲出液を集めるため、水ぶくれが生じます。

水ぶくれの原因に応じた治療法

水ぶくれの原因には主に以下のようなものがあります。

など

原因によって対処が異なるため、「いつから・どこに・どんな形で」できたかが重要です。

ウイルス感染(主にヘルペスウイルスによるもの)

ヘルペスウイルスによる水ぶくれは、ウイルスが皮膚や神経に関与して炎症を起こし、水疱が生じるのが特徴です。
口唇ヘルペスでは唇周囲に小さな水疱が集まり、ピリピリする前触れを伴いやすく、帯状疱疹では体の片側に痛みとともに帯状に水疱が出ます。

いずれも早期の抗ウイルス治療が重要で、特に帯状疱疹は治療開始が遅れると痛みが長引くことがあります。
水疱を自己処理すると二次感染や悪化につながるため、できるだけ早めに受診し、適切な内服・外用治療と皮膚の保護を行います。

参考 ウイルス・感染症 帯状疱疹

やけど

やけどでできる水ぶくれは、熱で皮膚の細胞が傷つき、皮膚を守るために液体がたまることで生じます。
見た目が小さくても深い障害が隠れていることがあり、水疱を潰すと感染や治癒遅延の原因になります。
まずは流水で冷却し、清潔に保って受診してください。
治療では深度を見極め、必要な処置と被覆、外用治療を行い、瘢痕が残りにくいようケアします。

参考 やけど

虫さされ

虫さされでは、虫の毒や唾液成分に対する炎症・アレルギー反応で赤みや腫れが起こり、体質によっては水ぶくれができることがあります。
強いかゆみで掻くと皮膚が傷つき、二次感染やとびひにつながることもあります。
治療は炎症とかゆみを抑える外用治療が中心で、状態により内服薬を併用します。
水疱は清潔に保ち、掻き壊さない工夫が大切です。

靴ずれ

靴ずれは、靴との摩擦で表皮がずれ、隙間に液体がたまって水ぶくれになる状態です。
小さなものは保護しながら自然に治ることが多い一方、無理に剥がすと痛みが増し感染の原因になります。
歩くたびに刺激が加わる部位では、適切に保護して圧迫と摩擦を減らすことが重要です。
大きい水疱や痛みが強い場合、破れてしまった場合は、感染予防も含めて処置を行います。

水虫

水虫の中には、足の裏や土踏まずに小さな水ぶくれが多数でき、強いかゆみを伴うタイプがあります。
汗疱や湿疹と見分けがつきにくいことがあり、ステロイド外用を自己判断で使うと悪化する場合もあります。
皮膚科では顕微鏡検査で白癬菌の有無を確認し、原因に応じた治療(抗真菌薬など)を行います。

参考 ウイルス・感染症 水虫(白癬)

紫外線治療

当院では、308nmUVB照射装置「セラビームUV308 mini LED」を導入し、紫外線治療を行っています。

紫外線治療は、医療用の紫外線を皮膚に照射し、皮膚の炎症反応や免疫の過剰な働きを調整する治療です。
特に、狭い波長に絞った紫外線を用いることで、必要な部位に効率よく照射し、治療効果と安全性のバランスを取ります。
アトピー性皮膚炎、乾癬、白斑などの慢性的な皮膚疾患では、外用治療だけでは十分にコントロールが難しい疾患の治療において、炎症や免疫の偏りを整え、症状の改善を目指します。

紫外線治療で効果がある疾患

疾患や皮膚の状態によって適応が異なるため、診察で評価します。

  • 乾癬
  • アトピー性皮膚炎
  • 白斑
  • 円形脱毛症
  • 類乾癬(るいかんせん)
  • 掌蹠膿疱症
    (しょうせきのうほうしょう)
  • 慢性湿疹
  • 痒疹
など

紫外線治療が皮膚疾患に効果を発揮するしくみ

紫外線には、皮膚で過剰に働いている免疫細胞の反応を抑え、炎症を鎮める作用があります。
乾癬では過剰な表皮細胞の増殖を抑える方向に働き、アトピー性皮膚炎では慢性炎症のコントロールに役立ちます。
白斑では、皮膚の色をつくる細胞の働きを促し、色素が戻る過程を後押しすることが期待されます。

紫外線治療機器について

皮膚疾患で行われる紫外線療法としてはPUVA療法、ブロードバンドUVB治療、ナローバンドUVB療法、エキシマライト療法などがあります。
紫外線というと、肌を黒くしたり、シミやそばかすを増やしたりといったことが心配されることも多いのですが、波長を限定し、照射量を調整することによって、そうした弊害を極力抑え、難治性皮膚疾患の症状を改善させる効果が期待できます。

セラビーム®308nm UVBの特徴

当院が導入している308nm UVBは、LEDでエキシマライトと同じ308nmの紫外光を照射できる機器です。
そのため、従来のエキシマライトで数秒ほどかかっていた照射量をわずか1秒前後の照射で終わらせることができます。

必要な部位に集中して照射できるため、全身照射に比べて周囲の正常皮膚への影響を抑えながら治療をすることが可能です。
皮膚への悪影響をより抑え、紫外線治療を行うことができるため、症状のある部位が限られている方や、外用治療に追加して効果を高めたい方に適しています。

紫外線治療の流れ

まず診察で適応を確認し、皮膚の状態や日焼けのしやすさなどを踏まえて照射量を決めます。
治療は定期的に通院して照射を行い、皮膚の反応(赤み、乾燥など)を見ながら照射量や頻度を調整します。
治療中は、外用治療やスキンケアも併用し、相乗効果を狙います。

推奨される治療期間、回数

紫外線治療は、一般的に週1回~のペースで継続し、数週間〜数か月単位で効果を判定します。
疾患や重症度、病変の範囲によって必要な回数は異なり、改善後も再燃予防のために間隔を調整しながら続けることがあります。

注意事項(副作用、禁忌など)

治療後に一時的な赤み、ほてり、乾燥、かゆみが出ることがあります。
照射量が過多になると日焼けのような炎症や水疱が起こる場合があるため、皮膚の反応を確認しながら安全に調整します。
光線過敏症がある方や、光線過敏を起こす薬剤を使用している方では、紫外線治療を行うかどうか、慎重な判断が必要です。
治療当日は強い日焼けを避け、保湿と紫外線対策を行うことも大切です。

費用

紫外線治療は保険診療で行うことができます。
3割負担の場合、診察料とは別に一回1,000円程度です。